» 2010 » 4月のブログ記事

風邪について書いてきましたが、またメンタルヘルスに戻します

今日は、不安障害について説明します

以前は、ノイローゼや不安神経症などと呼ばれていた精神
疾患がありましたがこの病名にはあいまいさが多いため、
最近は、1980年に米国精神医学会が提出した「精神疾患の
分類と手引き」(DSM:Diagnostic and Statistical Manual
of Mental Disorders)で臨床的診断がおこなわれるように
なり、ノイローゼや不安神経症は使われなくなりました

前に説明した統合失調症はカウンセラーはほとんど扱い
ませんが、この不安障害は気分障害よりカウンセラーが
扱うことが多いものです

不安障害とは、不安を主症状とする精神疾患全般の事です

そして、不安とは、明確な対象を持たない恐怖の事をさし、
その恐怖に対して自己が対処できない時に発生する感情の
一種を不安と呼ぶのです

不安が強くなると、発汗、動悸、頻脈、胸痛、頭痛、下痢
などといった身体症状として現れる事もあります

DSM-Ⅳでは、不安障害を次に示すように分類しています

①広場恐怖を伴わないパニック障害
②広場恐怖を伴うパニック障害
③パニック障害の既往歴のない広場恐怖
④特定の恐怖症
⑤社会恐怖(社会不安障害)
⑥強迫性障害
⑦外傷後ストレス障害(PTSD)
⑧急性ストレス障害
⑨全般性不安障害
⑩[一般身体疾患を示すこと]・・・による不安障害
⑪物質誘発性不安障害
⑫特定不能の不安障害

個々の分類について説明する前に、「パニック発作」と
「広場恐怖」という症状についてDSM-Ⅳを引用します

【パニック発作】

強い恐怖または不快を感じるはっきり他と区別できる期間で、
そのとき、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が突然に
発現し、10分以内にその頂点に達する

(1)動博,心惇克進,または心拍数の増加
(2)発汗
(3)身震いまたは震え
(4)息切れ感または息苦しさ
(5)窒息感
(6)胸痛または胸部の不快感
(7)嘔気または腹部の不快感
(8)めまい感・ふらつく感じ,頭が軽くなる感じ,または
   気が遠くなる感じ
(9)現実感消失(現実でない感じ)または離人症状(自分
   自身から離れている
(10)コントロールを失うことに対する,または気が狂う
   ことに対する恐怖
(11)死ぬことに対する恐怖
(12)異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
(13)冷感または熱感

【広場恐怖】

A.逃げるに逃げられない(または逃げたら恥をかく)ような
 場所や状況、またはパニック発作やパニック様症状が
 予期しないで、または状況に誘発されて起きたときに、
 助けが得られない場所や状況にいることについての不安、
 広場恐怖が生じやすい典型的な状況には、家の外に1人で
 いること、混雑の中にいること、または列に並んでいる
 こと、橋の上にいること、バス、列車、または自動車で
 移動していることなどがある
  注:1つまたは2~3の状況だけを回避している場合には
    特定の恐怖症の診断を、または社会的状況だけを
    回避している場合には社会恐怖を考えること

B.その状況が回避されている(例:旅行が制限されている)か、
 またはそうしなくても、パニック発作またはパニック様
 症状が起こることを非常に強い苦痛または不安を伴い
 ながら耐え忍んでいるか、または同伴者を伴う必要がある

C.その不安または恐怖症性の回避は、以下のような他の精神
 疾患ではうまく説明されない
 例えば、社会恐怖(例:恥ずかしい思いをすることに対する
 恐怖のために社会的状況のみを避ける)、特定の恐怖症
 (例:エレベーターのような単一の状況だけを避ける)、
 強迫性障害(例:汚染に対する強迫観念のある人が、ごみ
 や汚物を避ける),外傷後ストレス障害(例:強いストレス
 因子と関連した刺激を避ける),または分離不安障害(例:
 家を離れることまたは家族から離れることを避ける)

それでは、次に、不安障害の個々についの説明を、DSM-Ⅳ
の診断基準を示しながらおこないます

①広場恐怖を伴わないパニック障害
 Panic Disorder Without Agoraphobia

A.(1)と(2)の両方を満たす.
 (1)予期しないパニック発作が繰り返し起こる.
 (2)少なくとも1回の発作の後1カ月間(またはそれ以上),
    以下のうち1つ(またはそれ以上)が続いていたこと:
  (a)もっと発作が起こるのではないかという心配の継続
  (b)発作またはその結果がもつ意味(例:コントロール
     を失う,心臓発作を起こす,“気が狂う”)に
     ついての心配
   (C)発作と関連した行動の大きな変化
B.広場恐怖が存在しない.
C.パニック発作は,物質(例:乱用薬物,投薬)または
  一般身体疾患(例:甲状腺機能元進症)の直接的な
  生理学的作用によるものではない.
D.パニック発作は,以下のような他の精神疾患ではうまく
  説明されない.例えば,社会恐怖(例:恐れている
  社会的状況に暴露されて生じる),特定の恐怖症
  (例:特定の恐怖状況に暴露されて),強迫性障害
  (例:汚染に対する強迫観念のある人が,ごみや汚物
  に暴露されて),外傷後ストレス障害(例:強いストレス
  因子と関連した刺激に反応して),または分離不安障害
  (例:家を離れたり,または身近な家族から離れたり
  したとき)

②広場恐怖を伴うパニック障害
 Panic Disorder With Agoraphobia

A.(1)と(2)の両方を満たす.
 (1)予期しないパニック発作が繰り返し起こる.
 (2)少なくとも1回の発作の後1カ月間(またはそれ以上),
    以下のうち1つ(またはそれ以上)が続いていたこと:
  (a)もっと発作が起こるのではないかという心配の継続
  (b)発作またはその結果がもつ意味(例:コントロール
    を失う,心臓発作を起こす,“気が狂う”)について
    の心配
  (C)発作と関連した行動の大きな変化
B.広場恐怖が存在している(172頁参照).
C.パニック発作は,物質(例:乱用薬物,投薬)または一般
  身体疾患(例:甲状腺機能克進症)の直接的な生理学的
  作用によるものではない.
D.パニック発作は,以下のような他の精神疾患ではうまく
  説明されない・例えば,社会恐怖(例:恐れている
  社会的状況に暴露されて生じる),特定の恐怖症
  (例:特定の恐怖状況に暴露されて),強迫性障害
  (例:汚染に対する強迫観念のある人が,ごみや汚物に
  暴露されて),外傷後ストレス障害(例:強いストレス
  因子と関連した刺激に反応して),または分離不安障害
  (例:家を離れたり,または身近な家族から離れたり
  したとき)

パニック障害は発作で始まります、何の前触れも無く突然動悸
が激しくなり、息苦しくなって、めまいや冷や汗、やがて手足
に震えがきて、すごい恐怖に襲われるのです

思い当たる理由がないのに、突然激しい不安にかられ、自分が
コントロールできない状態になるのです

しかし、一般に発作は数分程度でおさまり、時間が経つと元の
状態におさまります

パニック発作のいろいろな症状に苦しむ患者さんは、治らない
と思う人が多いのですが、脳科学の進歩によって、現在では
パニック障害は治る病気だという事がわかっています

この病気で命を失うことはありません

きちんと治療をすれば寛解(病気が完全に治らずとも、症状が
でなくなること)する病気であることを患者自身がきちんと
理解し、そのための努力をすることを決意することが大切です

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小山 信弘

SEを2年前に定年し、今はのんびりとITコンサルタントとヘルスケアーカウンセラーをしています。毎日が休前日という贅沢な日々ですみません。

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