人間関係をつくり維持するための第三の原則は、
ギブアンドテイクです
これは現実原則の代表といわれています
登校拒否の子どもの多くは家事の手伝いをしていません
郵便受けから朝刊を取る、風呂に湯を入れる、食卓の
茶碗を片付けるなどの簡単なこともしていません
そのため、自分は何もしなくても風呂は沸き、料理は
食卓に並べられると思ってしまうのです
こういう現実認識では、家庭の外の現実生活にはついて
いけないのです
世の中は、自分のためにつくられたものではありません
自分のために何かしてほしければ、自分も何かして返す
というルールを身につけておく方がよいのです
このルールを身につけていないと、人からは「わがまま」
「お荷物」「打っても響かない」「何を考えているか
わからない」「恩知らず」と評されるため、人間関係の
乏しい人生になってしまいます
そして本人も「人生は無情である」「誰も私をかまって
くれない」と慢性の不満にとりつかれてしまいます
では、どのように学習して克服するかというと、集団体験
が最も効果的といわれています
親子関係しか体験しないと、親にしてもらうばかりで、
返す経験が乏しくなります
しかし、仲間との関係では、ノートを借用したらコーヒー
くらいおごって返すとか、旅行の幹事役をつとめてくれた
人にお土産をプレゼントするとかをいつのまにか見聞する
から、世の中はそんなものだと学んでいくのです
たとえば、カウンセリングではクライエントが面接料を
払えないからといって、無料にはしません
心を鬼にして、やがて払えるようになったら払うという
契約をするのです
これは、人生に甘えさせないための策なのです
カウンセラーは時間を私にくれるのだから、私はお金を
払うというギブアンドテイクの現実原則を守ることが、
カウンセリングの効果にプラスの働きをしています
面接料は面接の効果を高めるためのものであり、
カウンセラーの生計を立てるためのものとは
思わない方がよいと教えてくれる先生も多いのです
それほどに、ギブアンドテイクの原則は人間関係をつくり
維持するのに有用であるといえます
ところが、この原則は水くさい、無償の愛だって必要で
あると言う人もいますが、たとえば乳児は無償の愛に
近い体験をしているが、成長するにつれ現実原則を身に
つけないことには平和に生きられないのです
水くさい方が、人間関係は長続きするといってもよいでしょう
場合によっては、ギブもしなければテイクもしない方が、
人間関係にトラブルが生じないことがあります
たとえば、上京しても長男夫婦の家に泊まらずホテルに
滞在し、長男夫婦とホテルで食事を共にする親御さんです
この方が、お互いに心的負担が少なくてよく、嫁と姑の
仲もよいというのです
人間関係の維持、展開の上手な人とは、水くささと
無償の愛情交流の両方のバランスのとり方が上手な人
であろうといわれています
どんな大人でも幼児性が内在しているから、人に甘えたい
願望がありますが、一方的に甘えられるのは負担になる
ので困るという心理もあるでしょう
つまり、厚かましくされては困るのでキブアンドテイク
を期待したくなるのです
そのため「相互に許容できる範囲で無償のふれあいを」、
「相互に負担にならない程度にギブアンドテイクを」と
いうのが、人間関係をつくり維持するための第三原則なのです